北海道には、いろいろな生物がいますがその中でも
ちょっと変わった不思議な生物「まりも」がいます。
川や湖の石場に苔や藻が絡みついているのを見たことがあると思いますが、
まりも はこうした「藻」の一種で、漢字では「毬藻(まりも)」と書きます。
漢字からも見られる通り、まりもは「毬(まり)」のような球状をした
変わった藻 の一種として知られ、北海道では阿寒湖で見ることができる
特別天然記念物のひとつでもあります。
まりもは、生き物?
まりもは生き物?浮くことはある? まりもは藻の一種ですので、
大きな区別としては植物の一種ということになりま す。
藻は光合成することで成長する植物なので、
まりもも同様に光合成することで成長しますが、
単に光合成するだけではまりもになることはありません。
また、まりもは水中に生息する藻の一種なので、
生きているとは言っても、まりも自ら水面まで
浮いて呼吸をするようなことはありません。
球体のまりもが作られる厳しい条件とは
まりもとなるまでには、非常に希少な条件下が必要となります。、
まず「藻」として必要な光合成ですが、
まりもは水中に沈んでいる藻のため、
水中 に沈んでいても光合成ができる水質の良さが必要になります。
そして球状で知られるまりも本来の姿は、
実は糸状の藻が集合した藻なのですが、
このような球状になるためには緩やかに地底を転がる必要があり、
そのためには緩やかな傾斜と、湖の流れが緩やかである必要があります。
このほか、水温が10℃前後の低温であることや、
直射日光が当たらないこと、万遍なく転がりながら全体的に
光合成が行えることなど、多くの条件が必要となります。
北海道の阿寒湖が有名ですが、
実はまりもの生息地は
国内や海外にも数箇所存在しています。
しかし、球体のまりもが見られるのは北海道の阿寒湖、
海外ではアイスランドの ミーヴァトン湖の2箇所のみで、
他の箇所で見られるまりもは球体でなかったり、岩や湖底に付着しているものとなります。
様々な条件が揃わなければ、イメージするような
丸い球体のまりもが作られることはなく、
さらに直径3cm程まで成長するまでには最低でも3〜4年以上と、
多くの年月が必要となるため、球体のまりもは非常に希少な生物となっているのです。、
保護区に生息する阿寒湖の天然まりも 日本では北海道の阿寒湖にのみ
巨大まりもが生息していますが、残念ながらまりはレッドリストに載る特別天然記念物であり、
制限されたエリア内で保護されてい るため、天然のまりもを直接見ることはできません。
より天然のまりもに近いものであれば、阿寒湖の「チュウルイ島」にある
「マリモ 展示観察センター」がおすすめで、
阿寒湖の湖底を再現した巨大水槽の中には、天然のまりもが生息しています。