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実は日本初の食用玉ねぎである札幌黄色!
日本人の料理に欠かせない野菜の 1 つである玉ねぎ。
そのルーツこそ、札幌発祥の「札幌黄色」です。
日本へは江戸時代に長崎の出島を経由して伝えられたものの、
現在と異なり鑑賞用の植物として扱われていました。
まもなく時代が江戸から明治へと移り、政府の主導によって蝦夷地(北海道)の開拓、が 始まります。
この際に本州と異なって寒冷地であるこの地に適した食物が必要とされるようになっ てきました。
そこで北海道開拓使は、1871 年に札幌に設けた官立農園で試験的に栽培します。
広大な北海道で札幌が実験地に選ばれたのは、この一帯が地味豊かで、
風が強く乾燥し やすいという気候条件で、玉ねぎの栽培に適切とみなされたためです。
その後札幌農学校で教鞭をとっていたブルックスが、故郷である
アメリカ・マサチュー セッツ産のイエロー・グローブ・ダンバースを本格栽培します。
そして 1880 年に地元の農家であった中村磯吉が定着させて、ここに「札幌黄」こと、
「札幌丘珠黄色」が誕生するに至りました。
札幌黄色は、大正から昭和にかけて札幌市東区など道内のみならず全国に普及し、
昭和初期にはフィリピンやロシアなど海外にも輸出されるほど栽培が盛んでした。
しかしこの品種には果肉が柔らかく甘みと辛みのバランスがとれている一方、
病気にか かりやすく傷もつきやすいのが難点です。
このため昭和後期に農業の機械化が本格化すると、
病気に強く傷もつきにくいF1 種が登場するようになると、
しだいに生産数が減って数%のシェアにまで落ち込みます。
このような経緯から、現在札幌丘珠黄色は「幻の玉ねぎ」と呼ばれるほどです。
しかし近年の地産地消ブームで札幌黄色が再評価され
、2007 年 8 月にはスローフ ード協会により味の箱舟(食の世界遺産)に認定されました。
加えて同年には、イエロースパニッシュとの交雑で、
病気に強く加熱時の甘みが豊富な 改良品種「さつおう」も誕生し、注目が集まっています。
現在では丘珠地域の直売所で安い値段で購入できるため、札幌土産におすすめです。
また、丘珠まで買いに来れないという方には、ネットでも購入ができます
また 2008 年から始まったふるさと納税制度の広まりで、
札幌市の返礼品として札幌黄色やその加工品もラインナップされており、
節税対策ついでに取り寄せることもで きます。
普通の玉ねぎに比べてとても珍しいものの、柔らかく甘みと辛みが程よく調和している 札幌丘珠黄色。
ぜひとも一度カレーライスや汁物、鍋物などの具材に役立ててみてはどうでしょうか
札幌黄色を利用した料理が食べられるグルメスポット
丘珠空港の丘珠キッチン

丘珠カレー750円
札幌丘珠空港の2階にあるレストラン丘珠キッチンです。
丘珠キッチンでは、札幌黄色が入ったカレーや札幌黄色が練りこんだラーメン
を食べることができます。
丘珠空港内にあるスカイショップおかだま
伏古発玉ちゃんアイスです。
玉ねぎの味を消すために札幌黄色を煮込んでアイスにしたそうです。
玉ねぎが嫌いな人にも食べやすいアイスクリームでした。
丘珠空港のアクセス情報
〒007-0880 北海道札幌市東区丘珠町
TEL 011-785-7871