北海道の観光地

北海道の発展にも貢献した札幌農学校

札幌農学校とはどのような学校だったのか?
明治時代に進んだ北海道開拓で、非常に大きな役割を担ったのが札幌農学校です。

北海道大学(北大)の前身になった札幌農学校は、どのように設立され、
北海道大学へとつながったのでしょうか。
今回は北海道開拓の人材を育て、北海道の発展にも
貢献した札幌農学校のお話です。

(1)札幌農学校はどのように設立された?

札幌農学校は、北海道開拓に携わる人材を育てる学校として、
1872年に開設されました。
当初は札幌市街が建設中であったため、東京の芝増上寺に「開拓使仮学校」
として開かれました。
武士の子弟が主な生徒であったものの、校則を守らない者が多く、
校内が荒れていきます。

札幌市街の整備が一段落した1875年、現在の時計台界隈へ移転し
「札幌学校」となります。
翌年8月に名前が「札幌農学校」と変わり、
事実上の校長である教頭にクラーク博士を迎えました。

(2)札幌農学校とクラーク博士

クラーク博士が教頭に招かれたのは、アメリカでの彼の教え子に
新島襄(同志社大学の創始者)がいたのがきっかけです。
政府が農学校の教頭にふさわしい外国人のことを新島に相談したところ、
彼は博士の名前を挙げます。そこで政府は博士に農学校での教育を依頼、
彼も依頼にこたえて赴任しました。

熱心なクリスチャンの彼は、キリスト教の精神に基づいて生徒たちを教育します。
まず荒れた校風への対策で作られた厳しい校則を廃し、
「紳士であれ」だけを校則とし、生徒にも1人の紳士として接しました。

彼が行った教育の影響で生徒たちは規則正しくなり
クリスチャンになる者もいました。

英語教育も熱心に行い、担当科目の自然科学を英語で教えただけではなく、
発音やつづりの間違いも丁寧に指導したほどです。
さらに生徒たちを野山に連れて行き、動物学や植物学などの知識を実地で教えました。

ほかにも、現在の北大第二農場になった農学校第二農場の設立も博士の業績です。
1階が家畜舎、2階が干し草置き場になっている模範家畜房が中心で、

酪農を実践できるモデル農場として、北海道式酪農の普及に大きな役割を果たしました。
現在も当時の建物が9棟保存されています。

加えて札幌農学校が、日本で最初に学士号(大学卒業者の学位)を授与する学校になったのも、ク
ラーク教頭時代のことです。

農学校や北海道の発展に多大に寄与した博士は、
8ヶ月ほど生徒に教え、アメリカに帰国します。この際に残した言葉が、
有名な「Boys, be ambitious(少年よ、大志を抱け)」です。

(3)クラーク博士以後の農学校はどうなった?

クラーク博士の帰国後も、農学校は多くの人材を輩出しました。
有名なのが、2期生の新渡戸稲造や内村鑑三で、
後に教育思想家やキリスト教伝道者として歴史に名を残しました。
また1期生の佐藤昌介は、後年農学校の校長になりました。
ほかにも母校で学んだ先進技術や知識を開拓で活用した卒業生も多くいます。

なお札幌市のシンボルである時計台は、1878年に演武場として建てられ、
3年後の1881年には時計が取り付けられました。

1903年に現在地へ移転、北大に現存する昆虫学教室や図書館、
農学講堂も設置されました。

1907年には東北帝国大学農科大学として、東北帝国大学(後の東北大学)
の農学部門を担います。

当初は本部となる仙台には事務局もなかったため、
東北帝国大学の実質的な教育機関となりました。

1918年に北海道帝国大学農科大学として独立、
さらに翌年に北海道帝国大学農学部として再編され、
戦後は北海道大学農学部となり現在に至っています。

(4)まとめ

札幌農学校は、北海道開拓を担う人材を育てただけではなく
その後の北海道や日本の発展にも大きく貢献した学校でした。

特に学校の基礎を築いたクラーク博士が残したものは多く、
札幌農学校でクラーク博士がイメージされるほどです。

きのとやというお店では、札幌農学校をイメージした北海道産の小麦とバターを利用した
クッキーが販売されています。


このクッキーは、北海道大学も認定しているクッキーで、北海道のお土産屋さんでも
よく見かける人気の商品なんですよ。

また札幌農学校の演舞場だった時計台は、札幌大通公園の近くにあります。

札幌のシンボルとなっている時計台は、観光地としても人気で
世界中からたくさんの人たちが、観光スポットとして多くの方が来られます。

夜間は、音楽会が開かれたり結婚式のホールに使われたり市民に活用されています

札幌時計台のHPによると
明治14年から時計の機械が動き始めて120年以上,ワイヤーロープやねじなど消耗部品以外は交換していないそうです。
このような時計台は世界でも珍しいそうですよ。

時計台の中には、クラーク博士の写真撮影スポットがあるんですよ。

札幌市内には時計台や北大のキャンパスなどに農学校時代の建物が残されているため、
一度足を運んでみるのはどうでしょうか。

札幌時計台のアクセス方法

〒060-0001 北海道札幌市中央区北1条西2丁目
011-231-0838

※情報は記事掲載時点のものです。詳細は公式サイトなどでも事前確認することをおすすめします

-北海道の観光地

Translate »

© 2024 北海道☆わくわく生活 Powered by AFFINGER5